SSブログ

権力の自制 [STOP民主党]

民主党は、内閣法制局長官の国会答弁禁止を申し渡した。
小沢一郎の采配らしい。

憲法解釈 内閣法制局長官の答弁禁止 小沢氏が意向
http://www.asahi.com/politics/update/1008/TKY200910070475.html

内閣法制局長官は、4長官などとも呼ばれ、行政内での「憲法解釈権」を担ってきた。
法の番人と呼ばれ、頑固頑迷よろしく、法律に仕えてきており
日本の政治を良くするのも、悪くすのも邪魔をした。

日本の政治がある一定以上悪くならなかったのは法制局長官の功績である。
日本の政治を良くしようとした際も、法解釈を盾に邪魔をした。
別に日本の政治が良くなる(あるいは悪くなる)のを邪魔をしたのではない
単に、良く言えば頑固、悪く言えば馬鹿なだけで、学術的なベースによる
法解釈にこだわっただけだろう。

本来であれば、法律解釈権は司法、即ち裁判所にあるのだが
刑事・民事以外は、原則あまり裁判に訴えない(争いごとを好まない)日本の美意識によって
行政関係の法解釈に関して(とくにお上と敬う企業など)は、司法に訴える事は少ない。
そこで、行政内での法律解釈を司る内閣法制局が、実質的には行政関係の解釈権を掌握していた。

通達(法解釈)一本変更で、税が5000万円も違うなどという記事が昔日経ベンチャーか日経ビジネスだったか
どちらか忘れたが、法解釈をちょっと変更しただけで、末端への影響は巨大だ。
相続税は払わないといけないが、1億で買った美術品を50万で息子に売った場合は、正当な商行為とみなすべきか、それとも相続税逃れなのか、ここは法解釈になる。税金逃れならば、当然なんらかの税金を充てるべきだが、でがその1億で買った美術品が実は贋作で、額縁分の50万しか価値が無いから50万で売った場合は、どうなるのか。50万ではなく、5000万円で息子に売っていて、時価は下落していて7500万円だったらどうするのか、こんなの言いだしたらきりがない。

法律には、一々細部の実例まで書かれていないから、グレーゾーンがいくらでも存在する
いくらでも解釈次第で変わる。日本の法律は、元来わざと厳しめに記述されている。
それは、悪いことをする人があーだこーだと言い逃れするから、法律上の文面は厳し目で、実際の運用(法解釈)では若干の甘めにしてバランスを取っている所がある。労働基準法なんて、本気になれば月50時間以上残業時間がオーバーしたら経営者を牢屋にぶち込めるようになっている。ただ、実際の運用では経営者側が強制させており、なおかつ激安でこき使っている場合のみに適用されている。強制残業させているのが状況証拠で明らかでも、証拠を出せと言い張れば結構逃げれるから、法律厳し目記述して弾力運用で適正計るのは、いい知恵だと思う、が、ここで法解釈がある一定以上の悪意で解釈されはじめれば、大変な事になる。例えば、はむかう企業を言いがかりをつけて経営者を逮捕できるだろう。月50時間アウトを厳密に適用しはじめればほとんどの企業は引っかかる。好きな企業を潰せる。

権力をもし、掌握しようと思えば、以下のようになる。

立法(国会)→予算→行政(実権力)
立法(国会)→法解釈→行政(実権力)

現在、衆議院を掌握しているのだから、予算権を掌握しており、事業仕分けで官の生命線である予算は既に握っている。官を抑えるのは金玉から(汚い話で失礼)などのことばもある通り、官を支配しようと思えば予算を掌握すればそれで事足りる。故に、法解釈権まで掌握する必要は通常ない。仮に国会内での憲法解釈権を掌握するのであれば、答弁禁止で目的は達成している。内閣法制局長官が交代する必要まではない。


1月15日には、内閣法制局長官が交代する。

法制局長官、異例の交代 梶田氏が昇格
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20100115ATFS1500D15012010.html

推測で「抗議の辞任か?」と出ているが、これはおかしい
抗議で辞任するなら、国会開催3日前ではなく、答弁禁止決定直後が相応しい
抗議で辞任するならば、当然「撤回なり考え直すよう促すなり」となるが
なにせ、国会開催3日前であれば、考え直す時間などない
今まで国会答弁をやっていた長官が引くのだから
むしろ、政府としてはやりやすくなるだろう。
抗議辞任でやりやすくするのは辻褄が合わない。
国会運営3日前となれば、「辞めさせられた、もしくは、辞めるように仕向けられた」
と考えるのが自然ではないか?
どちらか分からないが、仮に抗議辞任であったとしても、自民党ですら手を出さなかった権限を
掌握しとうとしている事には違いない。
もし、交代させたのであれば、それはかつて日本に存在しなかった程の巨大な権力が誕生しようと
している事になる。この意味を本当に考えている人が何人いるのか

どちらなのか正直分からない。
分からないのだが、もし民主党が予算権限と法解釈権両方を手に入れたら
自民党が戦後55年間守ってきた「権力を持ちたるものの自制」を破る事になる。

民主は、自民谷垣氏が質問した時に、小沢チルドレンが大挙してプレッシャーを与えた
かつての自民の時は、自らの質問時間を削って野党に与えていたのに
戦後55年間も支配していたのだから、自民は本気になれば検察だろうがなんだろうが裏から支配できるはずだ。自民の逮捕ゼロなどやろうと思えばやれたはずだ。だが、それを行わなかった。時の最高権力者が逮捕された事例そのものが自民がすべての権力を掌握しなかった、最低限の権力者の自制心を持っていた証拠だろう。

改めて問う、民主党よ、何をしたいのだ?

  
民主党はその権力で何をしたいのか疑問(クリックで自動投票)
  


nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ニュース

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。